こだわり紹介

段ボールの可能性を広げる印刷機

段ボール箱は使う業種が幅広いので顧客も同様に多様です。売り上げの柱は食品、特に神戸の洋菓子メーカーですね。小型で「A式段ボール」と呼ばれるミカン箱の形が取り扱いの中心で、小ニーズでお客様の要望に合わせた商品をCADで設計し、形を提案できるのが強みです。
今取り組んでいるのは、導入した大型インクジェットプリンターで段ボールの新しい可能性を広げること。データからオンデマンド印刷できて、修正もデータを直すだけです。オフセット印刷の刷版や段ボール印刷の印版にかかっていた初期費用、修正が発生した際のやり直しのコストが不要になりました。

写真も美しく、大型壁面パネルにも

このプリンターは幅2.4ｍ、長さ3.2ｍまでの大型印刷が可能で、幅2ｍ・長さ3ｍくらいなら2、3分で刷れる速さ。加えて、一般的な段ボール印刷の色は1色か2色ですが、当社の機械は4色フルカラーで高画質の写真も高解像度なので、大型パネルにしてもきれいですよ。
この特性から、企業が展示会で使う壁面パネル、花火の写真展などに採用されました。従来は印刷した紙をベニヤ板へ貼り合わせますが、当社では強化段ボールへダイレクト印刷。紙をピッタリ貼る手間もなければ、1枚から小ロットで刷れて経済的、さらに段ボールなら素材が安価で使い終えた後の処分も簡単です。
入社13年目、DP課でデジタル印刷を担当する畠中貴史です。PDFやイラストレーター、JPGのデータをコンピューターに取り込んで印刷し、カットして組み立てる作業工程を紹介しています。詳しくは動画をご覧ください。

尼崎で創業、近隣企業との交流も盛ん

創業からずっと尼崎です。当社の加入している尼崎武庫川工業団地組合では近隣企業の社長同士、社員同士の仲が良く、日頃の挨拶はもちろん、旅行や仕事の出し合いもありますよ。
尼崎市内の洋菓子メーカーで使われているのが、2020年11月に特許を取った「重ねてバンバン」。生ケーキなどを入れて運ぶ番重（ばんじゅう）というプラスチックコンテナーの段ボール版を開発しました。段ボールは畳んで処分できるので、従来のプラスチック製と違って回収不要なため好評です。

什器開発で舞台装置のプロとコラボ

プリンター導入後、パネルや店舗で商品を並べて飾る什器にニーズがありました。そこで造形デザイナーとタッグを組み、段ボールを使った今までにない新しい什器を開発中です。この方、実は伝統芸能や有名劇団の舞台装置、美術を手がけるプロ。棚ひとつとっても、役者が持つ物の重さや上げ下ろしの高さなど、人とその動線、周囲の空間まで細かく考えて作ります。その上、観客の目線や照明、遠近法など「見せ方」のノウハウもある。印刷物で販促商品を作る分野を、このコラボで強化していこうと試みています。

動画で企業見学！現場リポート

その他の情報

担当者から一言

段ボール印刷の大型パネルは、展示会の壁面装飾をはじめ歌手の写真を使ったコンサートの演出など、イベントや広告関係の需要が増えています。等身大の人物や顔出しの記念写真用パネル、オンライン会議の背景ほか様々な場面で活用できます。